こんにちは、TalkCampの鈴ヶ嶺です。

26卒向けの新卒採用におけるインターンシップやオープン・カンパニー等が本格化し、私も26卒の学生さんと話す機会が増えてきました。就活活動の早期から始めている方々の中でも、就職活動に対する考え方は様々だと感じます。

25卒で就職活動を終えた方と話をしていても、「様々な就活サービスも活用し、何十社と面接を受け、複数の内定を取る方」や「就活関連サービスは一切使わず、エントリー段階で企業を絞り込んだ方」など、活動の量や方法も多様です。個々人の価値観の違いを考えれば当然のことですが、全ての就活生にとって「良い就活」と言えるものは存在しないかもしれません。

しかし、企業の採用担当者側の視点から見た時に、就活に対する考え方や行動が「素敵だな」と思う方には一定の共通項があります。今回のnoteでは、客観的なキャリア論理も踏まえつつ、採用する側から見た主観的な「良い就活」とは何かを考えてみたいと思います。

新卒採用や人事に関わる方、また就活生にも何か少しでも参考になることがあれば嬉しいです!

内定を取る事は目的か手段か?

「良い就活」をしていると感じる方は、「目的意識」が違います。描いているキャリアを実現できるかという目的意識の元、受けるべき企業を選択している方は、採用する側から見て素敵だと感じることが多いのではないでしょうか。

例えば、「新しいことをやり続ける。機会が多い環境で挑戦し続ける。」という目的を実現できる会社を探していた学生さんがいました。言葉にすると平易で一般的な印象を受けますが、最終的に入社を決めた企業の意思決定の軸は、大きく2つでした。

1. チャレンジ精神:既存事業が好調ながら新規事業に大きな投資をしている

2. 機会の多さ:社員数と拡大のペースから、自分自身も多くのチャレンジができそう

この方は、入社した企業で1年目から経営企画として活躍し、3年目には海外に赴任し、現在も活躍を続けています。入社時の意思決定軸を入社後も変わらず持ち続けている姿から、自分のありたい姿を強く想像し、会社を手段として、自分の目的を達成されていると感じます。

自分のキャリアを描き、ファーストキャリアにおける「目的」を定め、その「目的」達成のための「手段」としての就職先を選ぶこと。内定を目的とせずに手段とできる方は、「良い就活」をしていると私は感じます。もちろん、「目的」は人それぞれです。「世界」「日本」「地域社会」「個人」など様々な軸で目的意識を持つ人がいます。誰もが強い目的を持つ必要はありません。「良し悪し」ではなく、「好き嫌い」の話であり、自分自身にとっての「目的」を理解することが重要だと考えています。

内定を目的にした時に起きるミスマッチ

前述の通り、「良い就活」の要素の一つ目は「目的意識」だと考えます。では、なぜ「内定」を目的にすることは良くないのでしょうか。

例えば、「企業の良い部分ばかりに目がいく」「企業が欲する人材を演じる」といったことが起こりがちです。しかし、何よりも内定を目的にしてしまうと入社後の活躍が見込めないという点が最も重要だと感じます。

「やりたいと感じる事がない」
 ↓
「内発的な動機がないため、能動的に目的が産まれない」
 ↓
「やらされ仕事になる」
 ↓
「成果が出ない」
 ↓
「モチベーションが上がらない」

こんなサイクルが回ってしまうことが容易に想像できます。実際に入社半年から1年未満で退職した方や転職を考えている方と話をしてきましたが、こうした負のサイクルに入ってしまい、キャリアのスタートで躓く方にも多く出会ってきました。もちろん、入社前に考えていた目的がキャリアを歩んでいく中で変わることもあります。それでも、入社≒内定を目的にしてしまうことは大いにリスクがあるのではないかと思います。

まずは自己理解を深める

では、強い目的意識を持つためにはどうすれば良いのでしょうか。「良い就活」をしている方は、自己理解が深いと感じることが多いです。

以下の図はキャリアコンサルタント養成講座を展開するGCDFが提唱する「キャリア・プランニング・プロセス」と呼ばれる、キャリアに関する意思決定をする際に経ると考えられる過程です。この過程の中で重要なのは、情報収集をする前に自己理解が1stステップであることです。

キャリア・プランニング・プロセス

多くの就活生は、情報収集から始めてしまうことが多いです。しかし、何万社とある企業の全ての情報を集めることは現実的に不可能ですし、どのような情報を収集すべきかの目的がないと、他人からの見え方や社会的な評価軸に影響されてしまいます。先に選択肢を知ってしまうと、どの選択肢も魅力的に見え、目的と手段が入れ替わってしまうこともあります。

では、自己理解はどのように進めれば良いのでしょうか。就活において「自己分析」と表現されるこのプロセスには、様々なアプローチがありますが、過去の棚卸とキャリアイメージの言語化は必ず必要です。

過去の棚卸は、人生における大きな起点となる出来事を整理し、考え方や価値観を抽出することです。「自分史」等と表現され、就職サイト各社からも展開されているワークシート等も活用すると良いでしょう。

キャリアイメージの言語化では、以下の3つを言語化します。

1. 行動指針・ポリシー
2. ビジネスビジョン(仕事における理想状態)
3. ライフビジョン(プライベートも含む生活における理想状態)

ビジネスだけでなくライフも含めたビジョンを描くことで、就活軸における社会軸だけでなく、自分軸がクリアになります。最後に、ビジョンを実現するための手段(≒目的地までのルート)を考えます。この際、ビジョンを実現する手段は複数あると捉え、最初は選択肢を広げることが重要です。多くの場合、目的地にたどり着く道は複数あるはずです。

さて、今回は採用する側の視点から「良い就活とは?」を考えてみました。画一的な正解のない問いですが、一つの解として【良い就活とは、「自己理解」を深め、「目的意識」を持った就職活動を行うこと】ではないかと私は思います。

TalkCampコミュニティでは、最近「採用担当者のキャリア」をテーマに何度かディスカッションをしています。これからも採用や人事に関わる方を中心に、キャリアや就活、採用に対する考え方や価値観について対話を続けていきたいと思います。

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