就職プロセス調査(2024年卒) - 6月12日時点の就職内定率は80% - (就職みらい研究所)

就職みらい研究所から、2024年度卒業生の最新の学生動向調査が公開されました。
前回と同様に、内定確定先の従業員規模は「5,000人以上」が30.1%と最も高く、業種別では「情報通信業」が最も多い結果となっています。対照的に、従業員規模が1,000名以下の企業や、「建設業」「小売業」「医療・福祉業」などの業種は前年に比べて厳しい結果となっています。

今日はこれらの情報を踏まえて、大手企業への内定比率が増えている理由を探求してみたいと思います。大手企業の採用枠が拡大したことは既定の事実として、以下の要素が考えられると思います。
(1) 人的資本開示の流れを受け、採用条件を含む情報開示が進み、学生が企業を比較しやすくなり、大手企業の優位性が顕著になったこと
(2) 大手企業がジョブ型や初期配属確約の採用を導入したことで、いわゆる「配属ガチャ」のリスクが低減したこと
(3) 転職志向の高まりを受けて、将来転職市場に出ることを考慮した際、名の知れた大手からの方が転職しやすいと考える学生が増えたこと

採用学で知られる服部泰宏氏によれば、企業の採用力は『採用リソースの豊富さ(有形・無形)』×『採用デザイン力(採用設計力・オペレーション力)』と表現されていますが、上記1~2はリソースとデザイン力の強化につながっていると考えられます。大手企業が採用体制を強化し、人事・採用担当者の数を増やしている事例もしばしば聞きます。さらに、(3)に示した環境の変化も、大手企業への志向を加速させている可能性があります。

この傾向は2025年卒以降も続くと見られます。中堅・中小企業においては、より緻密な採用戦略・戦術の策定が求められていきそうです。

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