高校時代に高校卒で就職する人がまわりにいた大学卒者の方が、その後のキャリアが豊かである仮説 古屋星斗(リクルートワークス研究所)
リクルートワークス研究所の古屋さんから面白い研究結果が発表されました。
「高校時代に進学者だけでなく就職する友人もいた」という環境に身を置いていた大学卒業者が、キャリア形成において有利な結果を示す可能性が明らかになりました。高校3年生時に進学者だけでなく就職を考えている友人がいた大学卒業者(「いた」群)と、そのような友人がいなかった大学卒業者(「いない」群)を比較したところ、「いた」群の方がキャリア満足度が高い結果が得られたとの事です。また、異なる進路を選ぶ友人との交流が40歳以上の回答者にとっても重要だとされました。
高校時代に進学者だけでなく就職する友人とも交流があった大学卒業者の方が、その後のキャリア形成においてより満足度が高いという結果は、高校時代の社会的環境が後のキャリア形成に影響を与えることを示唆しています。
その理由は複数考えられますが、一つは視野の広さかもしれません。就職する友人がいたことで、進学者だけでは得られない視点や情報を得られ、より現実的なキャリア形成を行うことができた可能性があります。また、異なる進路を選ぶ友人との交流を通じて、自身の進路に対する意識が深まり、より自己の選択に納得感を持てた可能性もあります。
同じ進路を選ぶ者ばかりの学校環境よりも、多様な進路を選ぶ友人たちとの交流が個々のキャリア満足度を高めるという結果は、学校選びや進路指導に新たな視点を提供します。これは、選択の多様性を尊重し、学習の場においても多様性を保持することが、職業人生におけるレジリエンスや満足度に寄与することを示しており、とても興味深い研究結果ではないでしょうか。
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