「自分が経験したことない仕事の選択をミスマッチなくできますか?」
普段は就活生にドヤ顔で話す僕ら大人たちもこの問いを受けたら自信を持ってYesと言えるでしょうか…?
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こんにちは、星野です!「採用人事のホンネ」、第三弾。
私の自己紹介については以下記事にございますので、よろしければ合わせてご覧ください!
今回は就活生と新卒採用に関わる大人に読んで欲しい記事です。
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▼「イメージで仕事を決めるな」とは言うけれど
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「憧れでジョブを決めないほうがいい」
「イメージしてる仕事像にはギャップがあるから気をつけたほうがいい」
就活生と対峙しているとこんな言葉を発する大人や人事はよくいると思う。
新卒採用人事として5年目、その前は転職領域の採用支援の法人営業を4年経験した僕もこの類いの言葉は、よく聞きよく発してきた。
ブライダルや店舗販売員などのサービス業への憧れを抱く方に働き方のリアルを伝えたり、コンサルや会計士などを目指す人にその苦悩や辛さを伝えたり。
未来ある学生が夢を語り道を模索する就職活動。その中で多くの大人がイメージや憧れでジョブを決めようとする就活生に"待った"をかけるコミュニケーションをとる。
ただそんな大人たち(僕含む)に問いたい。
「自分が経験したジョブ(業界/職種)以外で、あなたにマッチする仕事を正確に選ぶ自信はありますか?」
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▼9年目人事が考える自分の適性
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僕は人と話すことが好きです。
どんな適性試験をしても社交性的なスコアは高くでる。人と話していても気疲れすることもなく、年中毎日外で人と絡んでるのも苦じゃない。多種多様な人との交流も好きで、バッググラウンド異なる老若男女と話すことを楽しめるタイプ。社会人人生9年間、一貫して人材系で「人」に関わる仕事を楽しくしています。
飲食店でのアルバイト経験もあり就活生時代はブライダル業界などサービス業への関心もあり、今でも接客仕事は適正があるのかなと思っている。
社会人生活を通じて培った自己認知を踏まえても、これからサービス業の接客仕事をしてもそれなりに楽しくはたらけるはず!…だと思ってます。
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▼販売員として働いてみた
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先日そんな僕に実際に接客仕事をする機会が訪れました。島根に住む親しい漁師さんが東京の某有名デパートで催事に出展するということで、販売員のお手伝いをすることに。とある土曜日に丸1日のデパート販売員体験です。
人と話すことが好きで商品を売り込むのも苦じゃない僕はとてもワクワク。さらに"1日限定体験"が好奇心にブーストをかける。ある程度の辛さは想像しますが正直、1日楽しく余裕で終えられるだろうと思っていました。
しかし現実はそんなに甘くない。
序盤こそ饒舌に楽しんでいたものの、行き交う人の多さ×無視する人に話しかけ続けるのは想像以上に気力が奪われる。また狭い販売スペースで立ちっぱなしなのも体力を削られる。結果、午前中の3時間半でクタクタに…。
僕だけじゃなくバックヤードは似たような空気感の人で溢れかえってました。机と椅子が無機質に並ぶ休憩室では全員無言でスマホをいじるかご飯を食べるか寝るか。空気もめちゃくちゃ重たい。みんな疲れ切ってる。芸人さんが楽屋で静かという話も今なら理解できる気がする。この景色は事前の想像を遥かに超えていました。
#気付くと僕も飯食いながら寝落ちしてました
午後もなんとか乗り切って終えましたが、ただただリスペクトを感じた1日でした。これを毎日してる販売員さん、凄すぎる…。
裏はあんなに疲労困憊でも表に出たら笑顔さと丁寧さを絶やさないのはプロ意識の塊。それに加え本業の皆さんはクレームや赤字へのプレッシャーも乗っかるそうで、ポッと出で「俺は人といくら話しても疲れない」なんて抜かしていた自分がなんとも恥ずかしい…。
ある程度の辛さは想定していたのですが、「デパート販売員の1日」の僕の認識は甘すぎました。仕事自体は楽しめましたが予想外の事だらけでした。
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▼完璧なジョブの理解は難しい
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「経験したことのない仕事をギャップなくイメージすること」は、かなり難易度が高いと身を以て実感しました。
人材業に携わり9年の僕でも難しいのだから、就活生に凄まじい難易度のことを求めているんだなと改めて感じます。
ミスマッチのないジョブ選択には、「深い自己理解」×「深いジョブ理解」が必要です。
百歩譲って前者が学生時代にできたとしても後者をするのは至難の業。実際に体験してみるのは一番ですがインターンをしてもそのジョブの全てを知れるわけでないし、仮にできたとしても経験できる業種職種は限られる。
ではどうしたら良いのか?
①ヒアリングの視点と引き出しを身に付ける
②自分の選択を正解にする力
この2つが大切だと思います。
数多ある職種のすべてを経験することはできないけど、話を聞くことはできる今のマーケット。ヒアリングを制するものがキャリア選択を制す。
はたらく日常をリアルに想像し「仮にミスマッチが起きるとしたらここに落とし穴があるかも?」という点をなるべく洗い出し、対象のジョブを細部まで想像できるだけの情報を集める視点と引き出しを持つこと。ただ、これを学生の力のみでするのは難しく新たな視点や質問の引き出しを授けるのは、経験と知識が豊富な近くの大人の役目だと思います。
もちろんそれにも限界はあるので、やるだけやりきったら最後に大切なのは「選んだ道を正解にしていくこと」。
無数にあるキャリアの選択肢において、"正解"は存在しません。大事なのは"ハズレ"を引かず、選んだ道を自分で正解にしていくオーナーシップ。
そんな考え方を授けるのも、未来ある就活生に関わる大人たちの務めだと思います。
以上、「自分が経験したことのないジョブをミスマッチなく選択すること」は結構難しい、という話でした。
就活生と接していると自分もできないほどの"あるべき"を語りがち、という人事あるあるにはこれからも気をつけ向き合っていきたいと思います。互いに嘘なく高め合う就活市場へ。
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