皆様、こんにちは!
TalkCampのゆる読みHR、第5弾は私、いいだまこからの投稿です。

私からの投稿は2週目、1/29公開の"自分らしい"を見つけることができるのは誰なのか? - 人事目線で思う就活ワード、「強み」の罠 -以来となります😊

普段私は本業・副業、あるいは趣味で、就活生と“人事”として話す立場にいます。そのため、面接練習やGD、ESのフィードバックを求められることもしばしば。

「もう少しここを端的に回答できると、しっかり意図が伝わりそうだね。」
「この質問、どうして面接官はしてくるんだと思う?」

そんな問答を繰り返す中で、学生自身の回答の角度や精度が高まり、徐々に自分の言葉を見つけていってくれる瞬間。これが楽しくて仕方ないです。
学生自身が自らの性格や経験の解像度を高め、未来に向けてワクワクし始めるきっかけづくり。そんな面談をしたいと日々思っているので、手ごたえのある面談ができたときの喜びは一入です。

…あれ。
表題の「"新卒採用"のやりがいとは?」、その一つを早くも披露してしまいましたw

が、採用の仕事は奥が深く、やりがいも価値も存在意義もまだまだたくさんあると思っています。
今回の記事では、"新卒採用"にこだわりをもってキャリアを考えている私なりに、この仕事について思っていることを書き出してみます✨

私が思う"新卒採用担当"という仕事

新卒採用担当とは?GPTに聞いてみると、こんな文言が出てきました。

新卒採用担当は、その名の通り、新卒の採用を担当する人材です。企業によっては、新卒採用と中途採用の担当者を分けていることから、新卒採用担当と呼び分けています。

なぜ新卒採用担当が重要なのかというと、新卒採用の目的は企業の成長のために優秀な人材を獲得することです。会社の事業を発展させるために、採用を行います。そのため、新卒採用を担う新卒採用担当は重要です。中途採用では、即戦力となる人材を採用することができますが、新卒採用では就活生の能力に期待を込めて採用を行うため、難易度が高い傾向にあります。

GPT-4 を使用した Copilot (bing.com)

なるほど。では、「採用」を辞書で引くとどうなるのか。

適当であると思われる人物意見方法などを、とり上げて用いること。

採用(さいよう)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

こちらもなるほど、という感じですね。
一般的な定義を捉えたうえで、では私はどう考えているか。

私が思う採用の定義は、個人の魅力と可能性を最大限に広げるための、企業ができる機会提供有無のマッチングです。

個人の魅力と可能性。これは、学生や求職者の絶対的な強みを指します。
前回の記事でも書いた通り、本人のプレゼン内容如何ではなく、入社した場合に発揮できそうなポテンシャルの意味合いを込めて表現しています。

機会提供可否のマッチングは、実際に当人が入社した後の未来を描き、どういった機会を渡すことができるかを検証・提案することです。

よく採用には①見極めと②魅力付けの2つの要素が必要不可欠と言われますが、それがまさに上の定義と紐づき、採用担当にとって無視してはいけない、いわば学生の前に立つにあたっての責任ともいえる要素なのだと捉えています。

そんな①見極め、②魅力付け。こちらも私なりに定義してみました。

①見極め=学生や求職者の絶対的な強みを引き出すこと
 絶対的な魅力と強みを引き出す、まだ本人が自覚していなければそれを見つけられるような問いかけをしてみる。それが面接や選考など、「見極め」の場で発揮すべき存在意義だと思います。

②魅力付け=自社ででき得る機会提供と選択肢を最大限考え抜くこと
 弊社に入社した場合、どんなキャリアを歩むことになるのか…?
 その可能性を探り、提案し、当人と目線を合わせに行くのも採用担当の役割だと思います。そしてその機会提供の提案が当人にとっても希望が叶うものに近いのであれば、結果的に「魅力付け」にも繋がることでしょう。

さて、ただここまで記載した採用の仕事。
特に相手が学生の場合、"社会人"という経験をしたことがない中で、ファーストキャリアという重すぎるチケットを消費して、一つの企業を選ぶなんて作業、生半可な気持ちで介在するわけにもいきません。

そこで求められるのが、①見極めと②魅力付けをプロとして責任をもって提供していくことです。

学生のポテンシャルを"見極め"るために、過去と価値観を紐解いていく

私はいつも学生との対話中、こんなことを思いながら会話を展開しています。


まずは過去。今までの経験、体験、経緯、どんな時に心が動くのか、何を考えてどんな経験をしてきたのか、周りからはどう言われてきたか、そしてどのように変化して、今はどう考えて、今後はどんなことをしていきたいのか…

そして、価値観。過去の話や雑談中、やけに出てくる単語は何か、どの目線で物事を捉えていることが多いか(組織目線、相手目線、個人目線、勝ち負け、大義名分、目的、目標、その他諸々etc…)、感情の上下に影響している事柄は何か、許せないことは何か、何を絶対的な正義だと思っているのか…

そんな角度で紐解いていくと、おのずとお相手の人となりが掴めてきます。
そして面白いことに、この作業をしていると多くの学生にこんなことを言われます。

「私って、こんな人間だったんですね」

その前段に、「ここまで深く考えたことはありませんでした」という前置きがあることが大半です。
でもそりゃそうですよね。実際一人でここまで深く自分の過去を紐解こうなんて、そんな機会もきっかけも中々ありません。
個人的には就活がそのきっかけとして機能すればとも思いますし、たまにきっかけとしてうまく活用している学生さんも見かけます。

でもほとんどの方は、ESを通過するために、面接に合格するために、内定をもらうために、自分の過去のエピソードを捏ねて味付けして成型して自己PRを作る作業をしているので、過去の棚卸も価値観の整理も不十分であることが多い印象です。

だからこそ、その歪な型で作られた自己PRを、ある種疑ってかかる。そして就活という枠組みから離れた、本来の当人の過去と価値観を深堀し、理解する。
これが、本来的な"見極め"ではと思います。

ただ、これを全企業の全面接官が一斉にやりましょう!なんて、そんなことは不可能です。面接官のほとんどは、面接が本業というわけでもないでしょう。だからこそ、せめて。せめて新卒採用担当だけは、それがエントリー前にせよ内定後にせよ、いずれかのタイミングで砦になるべきだとも思っているのです。

キャリアの道筋をシミュレーションして提案することが、結果的に企業の"魅力付け"になる

そしてもう一つ、採用担当の重要な役割である自社の魅力付け・アトラクト。

前提、入社後にはたらくのは学生自身です。
本人がモチベーションをもって頑張ろうと思えない限り、せっかくの新卒1年目の生活が実りあるものになりづらく、成果にも繋がりづらく、企業にとっても学生にとってもあまりよい結果だったとは言い難い採用となってしまうと思います。

ただ、本人が間違いなくモチベーションを維持し続けられるか。本人の魅力を最大限発揮できるポジションを提供し続けられるか。上司ガチャ、配属ガチャ、PJTガチャ…そのあたりの不確実的な要素100%払拭できるか。

ここに関しては、私たち"採用"を賄っている人間には(会社の規模や人事の役割、介入可否の度合いにもよりますが)、少なからず難しい側面があることも事実でしょう。

要は、本人の入社後の活躍やモチベーションについては、私たちは責任を背負いきれない≒あとは本人を信じて任せるしかないのが現実だとも思うのです。

だからと言って、砦としての役割を経ずに「あなたが決めたならいいんじゃない!ようこそ!」というのはあまりにも無責任です。だからこそ、私たちがすべきはシミュレーションと提案です。

魅力付けにおいては、企業の情報を加工するのも、学生に企業のイイトコロを押し付けるのも、学生を論破してねじ伏せるのもNGです。
あくまで、大切なのは学生自身の理解と納得感。それらがなければ、決断はできても選択したとは言えません。

まずは、本人のキャリア観を知る。一般的なマネジメントに進む?スペシャリストがいい?ということではなく、人生における仕事観に近い部分についてです。

仕事の優先順位。仕事の意味。仕事で生み出したいもの。会社に求めているもの。
それらは人によって異なりますし、正解不正解の次元では語れません。
ただし、弊社が何をどう提供できるかは、人事の私たちならある程度語れるはずですし、語れる状態にするために日々事業側の最新動向をキャッチアップすることが求められます。

その上で、前段で捉えた学生の魅力と価値観と照らして、入社後の学生をシミュレーションして、「弊社ならきっとこんな経験を得ることになるだろうね」と一緒に道筋を考えていく。

その時には、これは確定している一本道の線路ではないという前提の目線合わせもセットでしておきたいところです。
先の通り、入社後の不確定事項は社内の状況だけではなく、社会全体の状況も踏まえると除去しきれるはずがありません。誰が2020年には未曽有のウイルスが蔓延し、しばらく電車から人が消え、リモートワークが急速に進むことになると思ったでしょうか。

だからこそ、入社後の未来を描く際には、ある程度は学生自身の自己責任に任せる必要があるのです。でないと、いざ入社後に壁にぶつかったときに、「あの時○○さんに言われたからここにしたのに…」と、他責にしてしまってはお互いに辛いだけですからね。

あくまで保障できるところと、お約束できないところは分けて考えてもらいたい。だから辿り着けるであろう目的地は一緒に描きつつ、そこまでの道のりについては、自分次第で乗り物の種類もスピードも線路の真っ直ぐさも凸凹度合も変わるのであるというのはしっかり伝えたうえで、キャッチし続けている事業の動向と照らしながら、シミュレーションして提案することが私たちの役割だと思っています。

就活の答え合わせは、基本的には数年後。
ただ答え合わせができた時、連絡するか迷うくらいの関係性になれていたらいいな。

さて、私の思う新卒採用の仕事についてつらつらと書いてみました。
では表題に戻りましょう。

"新卒採用"のやりがいとは?

私は、学生自身の自己理解の解像度を高めることによって、本人が納得のいく選択肢を取り、根拠をもって前を向いている状態を作れることだと思っています。

自分のことを知らない限り、自分がどうしたら納得できるかなんて多くの人はわかりません。そして自分自身が納得しないまま行った選択は、誰かのせいにしたり、仕方なかったとでも理由をつけて自分を無理やり納得させない限り、どうあがいても過去の自分も今の自分も、そして今後の自分も否定し続けることになります。

初めての就活という経験。その中で自分軸を見つけて、今後前を向ける根拠にできる材料を与えること
私が採用という仕事にやりがいを見いだせている最大の要素は、ここにあります。

たまに数年前に面談をした元学生から、社内ですれ違った時に声をかけてもらったり、ふとした時にLINEや連絡をもらったりすることがあります。

「あの時話した通り、今度○○をやることになりました!」
「今社会人がとても楽しいです!」
「学生生活を振り返って、一番自分が変化できたきっかけになったのがいいださんとの面談でした。」
「先日いいださんが夢に出てきましたw」
「絶対に活躍して、いいださんに恩返しします。その時まで待っててください。」
「いつかいいださんの下で一緒にはたらくことが目標です。」

これ以上のやりがいがあるでしょうか…!
あの時話した学生さんが、社会人になった今、悩みながらも自分自身を肯定できていることが嬉しくて仕方ありません。
そして何より、これらの連絡を伝えたいと思ってくれたことが、自分自身のやっている面談は間違っていないんだなと思える根拠でもあり、自信にもなり、本当にやりがいです。

この場でですが、連絡をくれた&連絡するか迷った皆さん、本当に嬉しい思いをさせてくれてありがとうございます…!😊

そしてこれらの連絡は、結果的に弊社を選択しなかった内定者や、趣味として面談していた学生さんからももらったことがあります。
採用担当と学生は、ビジネス上では珍しく、利害関係のない関係性を築ける存在だと思います。少なくとも、学生は採用担当に対して費用的な意味では利害関係を求めないでしょうからね。

だからこそ、人と人として。一人の人として、採用担当という"役割"から、どんな意味をお相手に提供することができるか。
それが私がチャレンジしたいと思う「新卒採用担当」のミッションですし、キャリアの中で向き合い続けたいテーマの一つでもあります。

こんな気づきの機会をもっと多くの学生が得られるような、このやりがいを多くの採用担当が享受して自分の仕事に誇りを持てるような、そんな環境を実現できたらいいなぁというのが、私が"新卒採用"を軸にキャリアを築いていきたいと考えている一番の理由なのでした🍀

以上、今回もゆるっと熱く語ってみました!
この記事を読んでくださった皆さまの明日に、皆さまのやりがい/生きがいに繋がる出来事が待っていますように🕊

「採用」からはたらく人を幸せに…!🔥