新卒入社後3年以内に離職しなかった若手社員を対象にした調査(Adecco Group Japan)
アデコ株式会社が実施した新卒入社後3年以内に離職しなかった理由などを尋ねる調査結果を公表されました。
・転職を考える主な理由は「年収が少ない」。しかし、多くは「有休が取りやすい」ために残留している。
・6割がキャリアビジョンを持つものの、4割は現職での実現が難しいと感じている。
アンケート結果から、こうした新卒4年目の社会人の実態が見えてきます。
また、転職を考えたものの現職に残った理由として、社内の人間関係の影響も大きいことが伺えます。
パーソル総研の小林さんのコラムで、『転職者は不満を強めて転職していくわけではなく、不満の解消が「将来的にも困難」で、期待や希望が持てなくなったとき、「この会社を辞めよう」という離職意向を強めていく。』と仰っていた事を思い出しました。
(人はどのように会社を辞めるのか ~離職意思のメカニズム~)
「有給が取りやすい」という理由で現職に留まることに対して、もう少し内発的な動機が欲しいと感じます。
しかし、有給の取得のしやすさや福利厚生の充実は、最低限の「衛生要因」に該当します。
そして人間関係も衛生要因(またはハイジンファクター、維持要因)に分類されます。社員が会社に未来展望を持てなくなるのは、これらの要因を会社が十分にケアしていないことが一因と言えます。
一方、ここ数年は「不満」ではなく「不安」から転職をする20代も増えており、衛星要因だけではなく、適切な動機付けも必要性が高まっています。
管理職や人事はこれらの要因を総合的に考慮し、社員のキャリアの充実に取り組む必要があります。
各社の内定式に関する報道でも、そうした各社の取り組みの様子が見受けられます。
なお、本調査の結果は、選択式の回答により偏った結果となっている可能性も考えられるため、解釈には慎重さが求められると考えています。
【本日のニュース一覧】
内定式、職場早期理解でつなぎ留め 第一生命は配属面談(日本経済新聞)